SFPトランシーバーが機器から抜けないトラブルに遭遇した方は多いでしょう。その多くの場合はロック機能を無視して抜こうとして機器側のロックの金具部分を曲げてしまいその後、正常な解除操作をしても解除できなくなる事によるものです。
正常ロック解除状態
酷い場合は手前の部分が垂直に近い角度まで曲がってしまい、かつ凸状に湾曲するために周辺部を押してもロックが解除されなくなります。
今回の撮影の為に実際に曲がるまでロック状態で引き抜きをしましたが、かなりの力が必要です。突起部寸法が少ない光のLCコネクタ対応のSFPでは掴める面積が足りずマイナスドライバー等で隙間を抉らないと無理でした。
一方、RJ45対応の物であれが多少力は必要ですが何も工具なしで曲げることが可能です。
ロック機構を変形するまで行かなくとも奥まで押し込んだ位置でロック機構の解除操作をせず抜く方向に力をかけたまま操作しているのが原因の事も多いです。cageの奥にはバネがあり手前方向に常にテンションが掛かっています。
しかし、そのような操作ミスをしなくても「抜けにくい」例がある事があります。手元にある各種トランシーバーのロック機能を観察してみました。
その結果、様々な機構があり。仕様書上もかなり幅がある表記がされていることを確認することが出来ました。
ロック機構以外の筐体の寸法誤差や歪み要素は検討していません。
ロックの爪に引っかかる突起が筐体内に引っ込むことによりロックが解除される。機器側の金具が曲がっても問題なく抜ける機構の用に思える。
爪に引っかかっている板を斜めにカットされた板で押すことにより持ち上げてロックを外す。コネクタ部の奥行きが長くなるRJ-45接続タイプのコネクターを持つSFPに使われる機構。
手元にある何種類かの実物を見るとサイズに差がある。三角部を幅を計ってみると1.89/2.38/2.42mmと差がある。
スライド部の幅も差がある。最大幅よりは狭い。角度にも差がある。
干渉位置までスライドしても凸状に変形した場合は解除できない。
スライド部分は直接操作するのではなくRJ-45の枠の部分を押し下げる事によりまず、赤線の丸で囲った部分が接触してスライドし初め、押し下げる角度が深くなると青線の丸で囲った部分が接触してスライド部分を押す。そのため、接触部分が摩耗していたり変形していたりすると正しくスライドしない。また、回転軸受けのガタが大きくても接触面の圧力が足りずスライドしない。
この部分はテコの力が働く為、人手の操作でも破損または変形しやすい。その場合は、緑線の円の下の部分に接している突起を何らかの工具で押すことによりスライドさせる。
筐体内に埋没している板が跳ね上がりロックを解除する。三角部の両サイドまで跳ね上げの爪が伸びていないので抜けなくなる可能性がある。
奥から手前方向に解除用の突起が移動するタイプ。これもかなり強力。
"notes: 3.Design of actuation method and shape is optional."の記載あり。つまりロック解除機構については様々な方式を許容している。
Designator | Dimension | Tolerance | Comments |
---|---|---|---|
Z | 0.45 | ±0.05 | Height of latch boss |
AC | 45° | ±3° | Entry angle of actuator |
AE | 6.3 | reference | Width of cavity that contains the actuator |
AF | 2.6 | ±0.05 | Width of latch boss (design optional) |
Designator | Dimension | Tolerance | Comments |
---|---|---|---|
AQ | 5.1 | maximum | Width of latch |
AR | 3.0 | ±0.05 | Width of latch opening |
esignator | Dimension | Tolerance | Comments |
---|---|---|---|
AE | 2.65 | N/A | Width of retention post, see Note 3 |
AL | 0.65 | +0.10/-0.25 | Retention post height |
AX | 2.95 | ±0.25 | Technique #1 ramp distance during extraction |
AY | 5.10 | Maximum | Technique #1 ramp width |
3. Dimensions define a maximum envelope for module post. The post may have a different shape as long as the post cross-section does not exceed the maximum envelope.
SFPとSFP+/SFP28は互換性がありますが仕様上の数値は細かい差がある。SFP(INF-8074)には先端部前半の幅が少し狭くなる記述があるがSFP+(SFF-8432)には無い。また、先端部の縦方向の傾斜はSFP+にはあるがSFPには無い。
INF-8074 | SFF-8432 | sample A | sample B | sample C | |
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三角状突起物の幅 | 2.6±0.05 | 2.65 | 1.82 | 2.34 | 2.42 |
三角状突起物の高さ | 0.45±0.05 | 0.65 | 0.42 | 0.44 | 0.43 |
スライド部の幅 | 6.3 | 5.10 | 5.15 | 5.45 | 5.65 |
ケース幅 | 13.4±0.1 | 13.55±0.25 | 13.40 | 13.37 | 13.42 |
ケース厚み(REAR) | 8.6±0.1 | 8.55±0.15 | 8.50 | 8.68 | 8.61 |
まず、外部からケージの爪が視認できる事を確認する。そして、その爪を細いマイナスドライバーで押し上げながら抜く。
ドライバーは細くで薄いものが必要です。上記写真で使用しているのは。先の幅が2.5mmの「ベッ
操作するレバーを付けるスペースが無いトランシーバーを抜くツール