今年もネットワーク業界最大のお祭り「Interop Tokyo」に出展し、Shownetにも参加しています。会場の弊社展示ブースにおいで頂いた方々から当ブログに関してさまざまな意見を頂いており。数多くの間違いにも発覚しておりますので随時修正してまいります。
皆さんとお話ししていると、様々な仕様があるが何故その名前の付け方に一貫性がないのか。技術者としてルールベースで物事を考える修正が身についている方々だからこそ。名前の付け方に違和感を覚えまた戸惑っているのでしょう。会場には学生さんも沢山来られますが同様の感想を述べられます。
この問題に対して解決策は有りませんが、改めて「変なの?」の事例を列挙してみたいと思います。決して愚痴の羅列ではありません。
SFP10とSFP+ | 厳密には別物なんだけど |
QSFPとQSFP+ | 正確には40GはQSFP+なんだけどそんな表記誰も使っていない。 |
QSFP-DDとQSFP56-DD | なんでLANE速度を省略するのが慣例なの? |
QSFP-DD800 | なんで突然合算帯域表記になった?ルールに従えばQSFP112-DDだろ。 |
OSFP112とOSFP800 | あんた途中で改名した? |
100G LR4と100G LR | LR4の"4"を省略する人多いけど、100G LR1って別仕様があるからね。 |
OSFP flat-top | OSFP-RHSと混同するから止めて欲しい |
100G DR | なんでDR1じゃないの? |
MPO-12 | フツー8芯しか使わないんだよね |
2x400Gを800Gと呼ぶ | GPUクラスターで800G採用ってスイッチ側が800Gなだけですよね、CX8もGPU二つ接続構成が多いし。GPU帯域は400G。 |
400G SR4とVR4 | IEEEの仕様決定が後からだからしょうがないんだけどVR4仕様のSR4が多し。 |
400G LR4-6 | MSAのLR4は10kmなのに、まぁ400GLR4は使われてないからいいっか。 |
100G LR4-20 | FEC無しの伝送仕様にFEC適用したらそりゃマージン増えるの判るけど |
800G LR-20 | コヒーレントライトの恩恵でマージンがあるのは判るけど。 |
800G FR4-500 | 500kmじゃなくて500mなんだよね |
DR/FR | そもそも仕様名から要求するファイバーが簡単に判別できないのがおかしい |
QSFP-DD | こいつが居なければ8 laneはOSFPってことで話は単純だったのに |
SFPとQSFP | 光トランシーバーの総称がSFPと思っている人多すぎ |
QSFP-DDとQSFP112 | 伝送仕様とパッケージは別なので400G DR4は両方あります、そして相互接続できますよ |
VR | Very Short reach OM3 30m,一時期はVSRとも表記された |
DR | 黄色、500m。単語としてはパラレルファイバである意味は持たない。Dxx Range |
FR | 緑、2km Fxx Range |
LR | 青、10km Long Range |
ER | 赤、40km Extend Range |
ZR | 白、 80km |
PSM | Parallel Single mode |
PLR | Parallel LR |
XDR | FR距離のParallel、Xtend DR |
DR4+ | 上記と同じ |
DR | FR | LR | ER | ZR | |
一波一心 | DR | FR1 | LR/LR1 | ER | ZR |
Parallel | PSM4 |
XDR4
DR4+
|
PLR4
DR4++
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||
波長多重 |
CWDM4
FR4
|
LR4 | ZR4 |
弊社は”光”トランシーバーメーカーですので基本的にUTP接続製品は扱っていないのですが、会場では10G-Tにまつわる問題点が多く聞かれました。まずは放熱の問題、採用しているチップによっては消費電力が控えめなものもありますし、SFPが刺さっている筐体側の放熱設計次第なので手で触れない程の熱さであっても動作に問題ないことも多いはず。
誰も仕様上の100m近くの長さで使うなんて考えていなくて実質30m程度だけど、現場成端のコネクターで最初は動くけど運用中に障害が発生するのはほぼ確実。それでも、既設のUTPを使えって強要される涙涙の物語を語られる方が多くいらっしゃいました。
あと10年は使うという方多し。機材として既に保守期間切れている物もまだそのまま運用するし。新規に設置する機器も10G LRが多いだろうとの事。特に通信事業では回線速度と顧客から徴収するサービス費が紐づいていますから。顧客がより多くのお金を払わない限り10Gbpsから増速する必然性が無い。
機器ベンダーとしてはどんどん新しい機器を挿入して頂いて高速化を進めて欲しい所ではあります。
前々から、弊社では一心で済むBiDi製品をお勧めしており。今回のShownetと展示ブースの接続にも100G BiDiを使っていますし。展示機器間の接続も10G BiDiを基本としています。それでも、「初めて観ました」的な反応をする方がとても多い。ファイバーのコストだけじゃなく、光コネクタ接続の手間や工賃も節約できることに強く強く強調する次第です。
一心双方向製品の存在は知っていたが、IEEE P802.3cpで標準化された事を知らないかたも多くいらっしゃいました。IEEE標準でないと採用しない傾向がある通信事業者でも今後広く使われることを期待しています。
今回の展示ではQNAPの100Gスイッチ、IO DATAの新製品である10Gスイッチ。デジタルサイネージ用の透明光ファイバー等を通常手段で購入し使用していますが。弊社製品ではないこれらに対する質問も多く頂いています。どうせなら、これらのベンダーの皆さんと事前に連絡して興味を持って頂いたお客様を誘導する準備をしておけばよかったと後悔しています。