光トランシーバーはイーサネット以外にも使われます。その中で代表的なのがSDH同期網です。もう一つはInfiniBandです。
SDH網の特徴は、ビットレベルで同期したまま多重化されるために基本的に整数倍の速度差での階層構造(多重化階梯)を持つことです。しかし、ethernetの容量との相性は悪く様々なオプション規定があります。
OTU1 | 2.48832 Gbit/s | STM-16/OC-48 |
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OTU2 | 238/237×9.95328 Gbit/s | STM64( 9.95328 Gbit/s) |
OTU3 | 238/236× 39.81312 Gbit/s) | STM-256 (39.81312 Gbit/s) |
OTU2e | 11.2Gbps | 10G ethernet option |
OTU3e | 44.6Gbps | 40G ethernet option |
OTU4 |
255/227×99,532,800 kbit/s
111,809,973.568 kbit/s
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ethernet frameを効率よくSDH網で運ぶための仕組みは色々工夫されていいます。10GbpsのSTM64では容量がわずかに足りないために10GBASE-Wという仕様も登場しましたが、やはり伝送容量のギャップを生むことは嫌われ、40Gではトランスコーディングなどのテクニックも提案されましたが綺麗な構成ではありませんでした。
旧来の流れを断ち切り100G ethernetを格納するブロック構成として112GbpsのOTU4が定められています。OTU4では112GbpsとSDH網の方が容量が多くヘッダー情報を付加しても容易にethernet frameの伝送が可能になりました。そして、光トランシーバーの仕様はこのOTU4を目標に定められたのです。ethernetによるIPパケットの伝送が世界中を駆け巡るトラフィックの主役となった現在ではOTU4でSDH系の仕様がやっと整理できたと言えるのではないでしょうか。
28G(27.9525) x 4 = 112Gbpsとなります。
SFP28トランシーバーの、機器側の電気的仕様が定められています。ここで、lane速度が27.9525Gbpsなので25ではなく28が名称に使われています。
56GはOIF-CEI CEI-56Gになります。
光トランシーバーのデータシートを見ると伝送速度が10Gbps製品は、10.3125 Gbpsとなっています。これは、送られてきた情報が64/66Bと呼ばれるフレーム構成で伝送されるためにその分のオーバーヘッドが付加された数字です。
10G / 64 * 66 = 10.3125
FECなし25Gの場合も同様で
25G / 64 * 66 = 25.78125
FECありの25Gはブロックサイズを256/257Bとしてオーバーヘッドを減らすことによりRS(528,514)FECによって増えた分を相殺しています。
25G / 514 * 528 / 256 * 257 = 25.78125
50GはPAM4変調により変調速度は半分になりますが、RS(544,514)の採用により結果的に少し増えています。
50G / 2(PAM4) / 514 * 544 / 256 * 257 = 26.5625
10G | 25G | 25G(FEC) | 50G(FEC) | |
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infomation rate | 10G | 25G | 25G | 50G |
lane speed | 10.3125 | 25.78125 | 25.78125 | 51.5625 |
baud rate | 10.3125 | 25.7825 | 25.78125 | 26.5625 |
frame block | 64/66B | 64/66B | 256/257B | 256/257B |
modulation | NRZ | NRZ | NRZ | PAM4 |
FEC | NA | NA | RS(528,514) | RS(544,514) |
25.78125 / 528 * 544 = 26.5625