GPUとスイッチファブリックの大電力化とそれを高密度にラックに収容するために、液冷のシステムが増えています。光トランシーバーも液冷になるのでしょうか。

1.6T DR8(8x224G) FROの消費電力は30W程度です。QSFP筐体での空冷はかなり難しく、OSFPでも余裕はありません。それでも光トランシーバー単体で考えれば、液冷の必要性は基本的に無いと考えています

筐体単位で考える

しかし、空冷の放熱性能は収容される機器における配置次第です。光トランシーバーが高密度に並べられ他の部品の関係から冷却の空気が流れないレイアウトになる事もあるでしょう。また、同じ筐体に液冷が必要な部品がある場合には、液冷と空冷が混在する事を嫌ってすべての主要な部品はすべて液冷で設計する可能性もあります。

ラック単位で考える

同様な事はラック単位でも言えます。同一ラック内に液冷と空冷の機材が混在するのを嫌う事もあるでしょう。その場合、ラックに搭載する機器すべてを液冷に統一する合理性があります。

液冷用の光トランシーバーパッケージ

液冷用には特別な光トランシーバーパッケージが必要なのでしょうか?

現在製品として出荷されている液冷対応のネットワーク機器は、トランシーバーを収容されるケージが冷却液によって冷やされるものであり(コールドプレート)、如何に光トランシーバーの熱をケージに効率よく伝えるかが重要です。広い面積でケージと接触する構造が望ましく。QSFP/OSFP-RHSは従来の空冷用と同じパッケージが適用できます。

OSFP fin top/open top(IHS integrated heatsink)だけは注意が必要で、空冷用の冷却フィンをトランシーバーの筐体の備えたデザインですので、ケージとの接触面積が少ないのです。そのためflat topタイプがOSFPには規定されています。

 

CAGEの標準化仕様

OSFP MSAでは、光トランシーバーを収容するケージのデザインも仕様化されており。rev 5.2(April 17,2025)から液冷のプレートを間に挿入するデザインが追加されています。

直接冷却水を扱う光トランシーバー

冷却液の出し入れを行うバルブを備えた光トランシーバーの試作品のデモを見たことがあります。標準化には至っていませんが、メトロ領域の高出力トランシーバーがプラガブルにするためには必要になるでしょう。2km以下の短距離では不要です。

液浸(immersion)との混同に注意

顧客からの質問に、冷却液に直接浸す液浸と冷却プレートに冷却液を循環させる液冷を混同している例が多くみられます。液浸の場合は、光学部品に冷却液が浸透することにより、光学特性に悪影響を及ぼす可能性があり対策が必要になります。

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