• 配線部材の実用寿命は機器の三倍以上

  • 配線工事は時間がかかる

shwonet2024の構築に参加して、改めて光ファイバーによる配線の戦略が重要であることを実感しました。

幕張メッセでinteropが初めて開催されたのは1994年。その時は、FDDIで使用する62.5ミクロンコアのMMF(OM1)と50ミクロンのMMF(OM2)が主流で、SMFは通信事業者の領域の物であり構内のデーター通信の配線ではまず使わないものでした。当時、日本では50ミクロンのMMFの入手が難しく担当者が苦労していたのを覚えています。

現在では主流のCAT 5EのUTP仕様が登場したのも1999年ですので、1991年に仕様化された10/100Mbps対応のCat5 UTPですら最新の部材でした。

当時はまだ幕張メッセの建物間に光ファイバーは敷設されておらず、ホールを跨ぐマルチモードのファイバーを架設していました。

通称「メッセファイバー」と呼ばれる、幕張メッセの設備として建屋間に光ファイバーが敷設工事されたのは1998年ではないかと思います。(要確認)。当時はSMFとMMFそれぞれ敷設されました。OM3の登場は2002年ですので、当然敷設されたのは1Gbps対応のOM2です。

internetに関する国際会議が良く行われる横浜パシフィコもほぼ同時期に光ファイバーの常設工事が行われました。

しかし、敷設されたMMF OM2のファイバーが使われたのは極めて短い期間でした。バックボーンが2002年に10Gbps化するとOM3が必要になります。OM2はバックアップ回線としても1Gbps用に一部使われるのみとなってしまいました。

ラック内及びラック間に使われるファイバーも同様の道筋を辿ります。こちらは、都度敷設しますがOM2/OM3/OM4と世代交代が行われかつ、一心では容量が足りずMPOコネクタを使用する多芯ケーブルが都度多く調達されますが冒頭の写真にあるように2024年では過去に購入した多くのMMFが構築終了後も倉庫に残されている状況です。

より正確に記述すれば、コネクタの種類も変遷しており。SMFでもSCコネクターからLCに需要が移り変わり、一時期はLC-LCのパッチケーブルが不足し、その一世代前に活躍したLC-SCをSC JJで繋いだパッチケーブルを多用した事もありました。SCコネクタは長距離のケーブルやパッチパネルでは今でも現用していますが、LCに加え近年ではSNも登場しコネクタの選択も悩ましいものです。

Shownetは構築も大掛かりですが撤収も大変です。会期終了後全ての機器をラックから降ろし再梱包し、配線に使用したケーブルを全て回収し来年の為に整備して格納します。上記の写真は、会期の最終日の深夜に回収したケーブルを整理している様子です。大量のSMFファイバーが回収されています。

Shownetは、機器を購入している訳ではなくコントリビュータから借りているために一般の設備とは異なりコスト面を軽視する傾向があります。まぁ、扱う伝送速度も高性能な機器に合わせて最先端のものになります。その為、実際に使用される設備と数年の時間差があります。

だからこそ、大量の MMFファイバーを死蔵してしまっているshownetの現状は将来像を示していると思います。

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