光トランシーバーメーカーとしては、CPO対応のネットワーク機器の販売開始に備えて、プラガブルな外部光源であるELSFPの開発を進めています。しかし、OIFの「External Laser Small Form Factor Pluggable (ELSFP) Implementation Agreement」には様々なバリエーションが記載されておりどの仕様の優先度を上げるのが良いのか難しいのです。
フロントパネルに刺す外部光源(FPLS Front Panel Pluggable)ケースのサイズは一種類なのですが、光の取り出し方法にcoventional/Pass-though/Pigtailの三種類があります。これはOCP2025での展示傾向からみて。conventinalが主流でしょう。
波長の種類はDR4用の全部1311nmのタイプ、FR4想定のCWDM4のもの、LR8想定のCW-WDM8がありますがまずはDR4でしょう。CWDM4タイプも計画に入れなくてはいけません。
MTフェルールが二個並んだパッケージなのですが、MTの心数が12/2x12/3x12の三種類定義があります。これはとりあえず12芯一列二個で考えます。
12芯のコネクタのうち、どの芯から光を供給するか。1311nm単一波長の場合は真ん中の4芯を使う4PMFと8芯を使う8PMFがあります。両方使われそうですがとりあえず8PMFで考えます。
11dBmから26dBmまで6段階。VHP(20dBm)と仮定。
このように様々な組み合わせがあるので、その表記方法もOIFのドキュメントに規定されています。
ここまでに仮定した仕様を表記すると上記になります。
This module has (2) single row MT-12 ferrule, each with 8 active polarization maintaining fibers, that deliver 20+/-1.5dBm each and meet the wavelength requirements of the 1311 nm standards such as 400G-BASE-DR4 (i.e., 1311 nominal wavelength)
このようにELSFPは仕様書上のバリエーションは多く、市場で主流となる仕様もまだ見えていません。CPO engineの仕様とそれぞれのengineに何個のELSFPを対応させるかによって様々です。OCP2025でMarvellが展示していた64x800G DR4は16個のCPO engineに16個のELSFPで の組み合わせでした。EdgeCore(Broadcom + NTT innovative Device)は128x800G DR4は8個のELSFPで16個の6.4TのCPO engineですので1対2。20dBm16波のELSFPではないかと思われます。
800G DR4は変調後の出力で4dBm必要ですので、変調ロスにより光源の分岐数が決まります。第一世代の400G DR4では20dBmを四分岐して14dBm程度をCPO engineの各laneに供給するのが一般的です。ELSFP側では出力波毎にLDユニットを配するのが基本ですのでLDユニットの故障時の影響範囲を考えれば出力波が多い方が良いと考えるか、23dBmの8分岐で総合のLDユニット数を少なくしたほうがシステム全体の故障率が下がると考えるか。
CWDM4の場合は、波長毎ですので一つのLDユニットの故障が分岐している4ポートすべての故障となります。
弊社ではELSFP向けに外部に23dBmの1311nmレーザーモジュールを既に出荷開始しております。これを社内調達し8個並べれば良い訳です。もちろんコントローラ部も必要ですし、パッケージとしての消費電力と放熱の検討も必要ですので鋭意作業しています。
レーザーモジュールはSHP(26dBm)の仕様のものを来年には外部向けに出荷を予定しており、それを搭載すればSHP仕様も実現可能です。
CWDM4仕様もVHP(20dBm)であれば机上設計は終わっていますが、UHPは少し時間が必要です。