MSAドキュメントの日付を見ると2021/06/04ですので、実はそれほど新しくはないのですが。CPO/ELSFP関連で再注目されているO bandの波長グリッドです。
”CW”と銘打っているのは、従来のLDの駆動パワーで変調するのでは無く。光源は一定の出力でフィルター状の変調器での利用を想定しているからです。
実際のパッケージとしては400G DR4から多用されている方式で、一つのレーザーを分割してパラレルファイバー伝送に実装することにより低消費電力が見込めます。ただし、単独のトランシーバーだけを考えると波長多重ではどうしても複数のレーザーが必要なのでこのメリットはないのですがCPOのELSFPのように複数のポートへの分割して光を供給するシステムでは有効です。
また、CWDM4の20nm間隔の波長グリッドではO bandのゼロ分散点から離れてしまうので8波長の多重では分散が大きくなり高速度変調が使えません。LAN WDMであればこの問題を回避できますが更なる波長多重数の需要があります。
仕様上は9/18/36nmの三段階の占有波長幅が規定されていますが、ELSFPでの実装が想定されているのは18nm幅(400GHz GRID)です。
CWDM4は20nm間隔で4波長(1271/1291/1311/1331)ですので、全幅18nm幅のCW-WDM 8波長よりも4倍以上広い(1293.32/1295.56/1297.80/1300.05/1302.31/1304.58/1306.85/1309.14)。800G FR4でも採用される見込みですが伝送特性には余裕がありません。
400GHz GRIDなら8波長でLAN WDM(800GHz GRID 1295.56/1300.05/1304.58/1309.14)と同じ占有波長幅なのですから、同等の伝送特性が期待できます。
仕様上は100GHz GRID幅で16chもありますので、PCIeの延長の様に16 laneが基準になっているシステムの10km前後の中距離伝送が計算上は可能です。
また、200GHz GRIDで32chの構成では1282.26から1318.35nmですのでかなりの高速変調でも2km以下なら伝送可能でしょう。CPOはNVlink/UAlink/SUE/infiinband/Ethernetに限定される手法ではないのでHBM等のより高速帯域の光化への適用も考えられます。
32x400Gbps = 1.6TB/sはHBM4のJEDEC規格2TB/sに近い。500Gbps per laneなら同等。
C band DWDMでは50GHz GRIDが実用化されてるとは言え、温度変化による波長変動を抑え込む必要があるためまずは400GHz GRIDの8波長が実装されると思われます。
800G LR8はLAN WDMになると考えていますが1.6T LR8には採用されるかも知れません。
