未だに、「この製品はDOMをサポートしていますか?」と聞かれます。

10年以上前の常識が未だに、この手の手順は古臭い”マニュアル”に残っているのでしょう。

歴史的経緯

1G SFPのいわゆる”社外品”、純正品をリバースエンジニアリングした製品を販売するのがサードパーティ光トランシーバーの標準だった時代は各機器ベンダーが備える、光レベルの受信レベルをモニターする機能DOM(Digital Optical Monitoring)を備えているものと、備えていない製品が存在しました。それによってコストも異なります。

DOMをサポートするためには光レベルを受信するハードウェアが内蔵されている事とそれを機器が要求する手順で提示する機能を備えている必要があります。そのために、サードパーティ製品はDOM機能を備えていないのが常識の時代でもありました。

INF-8074( May 12,2001)

Specification for SFP (Small Formfactor Pluggable) Transceiver」

このように、使用する機器に合わせた”特注”が標準的であった時代に基本仕様書とされたのがINF-8074です。これには、SFPの機械的形状。基本的電気的特性、そしてI2Cを介して提供されるSFPの状態情報が定義されています。

DDM (Digital Diagnostic Monitoring)をサポートしていると記述されていれば、INF-8074に記載されているI2Cによる情報提供機能を備えていると解釈できます。しかし、DOM(Digital Optical Monitoring )は含まれていません。1G bps SFP全盛の時代にはDOMに関する標準仕様は存在せず従って汎用品ではDOM機能は利用できないとなります。

SFF-8472(Rev 1.0 April 05,2001)

「Management Interface for SFP+」

"INF"という参考文章ではなく仕様書として公開されDOMの仕様について明記されています。また、拡張された部分はINF-8074では"reserved"とされていた領域ですので上位互換性もあります。2022年現在では1G bpsのSFPにもほぼ適用されている仕様です。

8.8 Diagnostic Monitoring Type [Address A0h, Byte 92]

bit 6にDOMを備えているかどうか定義がありますので、option的位置づけです。備えている場合は、受信光レベル、送信パワー、送信バイアス電流、供給電圧、内部温度までがセットです。

9.8 Real Time Diagnostic and Control Registers [Address A2h, Bytes 96-111]
  • Internally measured module temperature.
  • Internally measured supply voltage in transceiver.
  • Internally measured TX Bias Current.
  • Measured TX output power.
  • Measured RX input power.

SFF-8636 

「Specification for Management Interface for 4-lane Modules and Cables」

Rev 1.5からQSFP28も定義も追加。

QSFPの仕様上のDOMの記述はSFF-8636、6.2.5 Channel Monitors (Page 00h, Bytes 34-81)。 そもそも。QSFP以降では受信光レベルのモニターは標準機能で温度、電源電圧、送信出力がoption.

6.3.27 Diagnostic Monitoring Type (00h 220)
bit Description
7-6 Reserved
5 Temperature monitoring implemented (0b=Not implemented or pre-Rev 2.8,1b=Implemented)
4 Supply voltage monitoring implemented (0b=Not implemented or pre-Rev 2.8,1b=Implemented)
3 Received power measurements type. 0=OMA, 1=Average Power
2 Transmitter power measurement. 0=Not supported,1=Supported
1-0 Reserved

 

受信レベルだけなら、0x08, 全て装備していれば0x0C。rev 2.8以降なら0x3Cとなります。

仕様上は、モニター機能が全てセットになっているSFP+の仕様であるSFF-8472と異なり備えているモニター項目が個々に指定されているのですが、SFP+対応のコードのコピペなのか指定を無視して情報を参照する機器が多いのが実態です。

Table 6-3 Revision Compliance (Page 00h Byte 1)

 

DOMの精度

DOMによって得られる測定結果の精度はあまりよくありません。特に光のレベルの精度には注意が必要です。

  range accuracy
Temperature -40 ºC and +125 ºC +/-3 ºC
voltage 0 to+6.55 V +/ -3%
power -40 to +8.2 dBm +/-3 dB

 

DOMの表示が抑制される場合

トランシーバー側がDOM機能を備えそれを示すEEPROM情報を応答しても機器では表示されないケースがあります。

  1. AOCなどDOMが不要と判断される場合。typeがAOCの時にはcisco Nexus等ではDOMは表示されません。
  2. 非標準品では表示されない場合。Brocade, Extreme系の機器では表示が抑制される場合があります。

INF-8074 vs SFF-8472

byte INF-8074 SFF-8472
13 reserved Rate Identifier
19 reserved Length (OM3) or Cable length, additional
36 reserved Transceiver
60-61 reserved Wavelength
62 reserved Fibre Channel Speed 2
92 reserved Diagnostic Monitoring Type
93 reserved Enhanced Options
94 reserved SFF-8472 Compliance

 

SFF-8690 2013

「Tunable SFP+ Memory Map for ITU Frequencies」

DOM/DDMに直接関係ありませんが、tunableのトランシーバーで波長を指定する標準仕様です。

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